地域×食×家族の愛がつまったケーキ
母袋 由晃さん(てんしのけーき ディレクター)
2015年 情報デザイン学科 卒業
長野県長野市。善光寺から足をのばして歩くと城山動物園のほど近くに、「てんしのけーき」のお店はあります。
情報デザイン学科のゼミで、デザインと地域の関係性や食について考える機会を得た母袋さん。卒業後の進路について考えた時、大学2年生時にオープンした実家のケーキ屋さんについて考えるようになりました。「母と姉がケーキ屋を始めて2年。2人だけで運営していくのは厳しくなっていて、母と姉がやりたいことが十分できない。それがわかっていて、何もしないのは他人事だと感じたんです」そうして、母袋さんは、地元長野に帰ることを決意します。
すべての商品には、上白糖ではなく、寒冷地で採れる「てんさい糖」が使用されています。てんさい糖はミネラルたっぷりで身体を温める作用がある、お腹にやさしいお砂糖です。添加物、保存料を使わず、1歳の赤ちゃんから高齢者まで、ケーキを囲んだみんなが安心して食べることができるケーキ作り。お店の名物「季節のタルト」は、長野県産のいちご、りんご、ルバーブ、桃、いちじく、ぶどう、プラム、洋梨を使用。「これらの食材も、農家の方のお話を聞いて、その考えや取り組みに感動して、一緒にやりたいと思ったみなさんの食材を使わせていただいています」
「ケーキって、家族や友達みんなで食べているときは温かい時間が流れますよね。そんな時間に関われるのが好きなんです」。食べる人、食材を提供する人を大切に思う家族が作る「てんしのけーき」をぜひご賞味ください。
text:吉田大作/photo:CHIMASKI/September, 2016
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ケーキ作りを担当する姉の風実さん 。
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お店の人気商品の一つ「シフォンケーキ」
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放し飼いの鶏の生む健康な卵を使用。すべての人が安心して食べられるように食材を選定しています。
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お店の人気商品「ニューヨークチーズケーキ」の製作途中。
材料を混ぜた後、さらに漉すのが美味しさの秘訣と教えてくれました。 -
信州産のフルーツや野菜をふんだんに使った「季節のタルト」
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「食べると幸せな時間が流れるケーキを届けたい」と話してくれました。
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自然味豊かなケーキの甘さにこどもたちの笑顔も溢れる。
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ケーキ屋の2 階は、母の京子さんが3 歳から80 代まで通うアートスクールを行っています。
店内にも絵がたくさん飾られています。 -
大学時代の大切な仲間と、地域を元気にする企画を話し合う。
てんしのけーき
〒380-0802 長野県長野市上松2-4-30
TEL 026-405-6924
営業時間 10:00〜19:00
定休日 月曜
http://www.tenshinocake.com/
母袋 由晃(もたい よしあき)
1992年、長野県出身。京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業後、2015年KANGAROO Studioを設立。主には「てんしのけーき」の経営・販売を行い、デザイナーとしてパッケージやグラフィックデザイン等の仕事に携わる。
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