暮らしに近いかたちで使ってもらうために
徳田 正樹さん(SONGBIRD DESIGN STORE by Masaki Tokuda Design. 代表)
1996 年 京都芸術短期大学 専攻科 建築デザインコース 卒業
徳田さんが営む「SONGBIRD DESIGN STORE.」は京都・堀川丸太町、堀川通りをはさんで二条城の向かいにあります。もともと住宅だったビルを改築したお店は、1 階はギャラリースペース、2 階がカフェ「SONGBIRD COFFEE.」、3 階が徳田さんがデザインした家具のショールーム「SONGBIRD FURNITURE.」になっています。2階のカフェでは徳田さんがデザインした家具が置かれています。
建築について学んでいた学生時代、感性だけではなく、計算式によって形作られていくインテリアデザインの世界が自分に合っていると感じたのだそう。
そして、もともと、珈琲が好きだったこと、そして自身がデザインした家具を、実際の暮らしにより近いかたちで使ってもらいたいという想いから、カフェを始められたそうです。珈琲を注ぎながら優しい表情で店内を見渡す徳田さん。
ここで飲むことができる珈琲は、四人の焙煎人にお願いしてつくられた、オリジナルブレンドです。お店で豆を挽き、一杯ずつ丁寧に注がれてゆきます。
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「SONGBIRD DESIGN STORE.」という店名は、好きなバンドの曲名と、鳥の世界観に 魅力を感じたことから名づけられたのだそう。
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2 階の「SONGBIRD COFFE.」。
美味しいお料理を楽しんでもらうと同時に、SONGBIRD FURNITURE の家具の使い心地を試してもらうこともできます。
徳田さんがデザインを手がけた家具には骨格の挿し色や少し変わった形など、遊び心が加えられているので、「どこに置こうか、どうやって使おうか…」と想像するのが楽しくなるものばかりです。 -
3 階の「SONGBIRD FURNITURE.」展示スペース。
クライアントとの相談もここで行われます。
徳田さんが注文を受けた際に気をつけていることは、数センチ単位の違いまでこだわること。長く使う物だからこそ、妥協はせず、クライアントの希望に応えます。
同じデザインでも、使う人、使う場所によって、大きさを変えることができるのも、オーダー家具ならではの魅力です。 -
“BANK” と名づけられたソファー。
日本語訳にすると “土手” を意味するこのソファーは、名前の通り、土手に座っているようなイメージでデザインされています。背もたれ部分に、かなりの幅を利かせたことで、座ったり寝転んだりできるようになっていて、様々なくつろぎ方を楽しめます。「普段は座れない場所に座り、いつもと違う視線で日常を感じる」というコンセプトで作られました。 -
お店を象徴するロゴ(写真右上)は、仕事をする中で生まれてくる「出会い」の連鎖をイメージしたのだそう。巣作りや産卵・孵化、子育てから巣立ちといった、鳥と人間の暮らしのメタファーとしての「鳥の巣」と、植物の種 ( 命 ) を遠くの場所へ運び、新たな生命を誕生させる「鳥の糞」が表されています。
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「SONGBIRD DESIGN STORE.」オリジナルデザインのマグカップとコースター。
お店では、淹れたてのコーヒーをこのマグカップでいただくことができます。 -
インパクトのあるこのカレーは、店名にちなんで鳥の巣をイメージしたもの。
徳田さんが盛り付けを考案し、奥様が味付け・調理を担当しています。
「僕ひとりだったら、このカレーは無かったと思います。彼女は調理経験が長いこともあって、味付けについては任せています」 -
窓から二条城を眺めることができます。
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鳥のさえずりのように、お店の中からは、お客様の楽しそうな声が聞こえてきます。
text:木村郁花/photo:CHIMASKI/January,2017
SONGBIRD DESIGN STORE.
〒604-0075 京都市中京区竹屋町通堀川東入西竹屋町 529
TEL 075-252-2781
営業時間 (SONGBIRD COFFE)12:00 ~20:00 (L.O 19:30)
定休日 木曜日と第 1・3 水曜日
徳田 正樹(とくだ まさき)
1974 年京都府生まれ。1996 年京都芸術短期大学専攻科建築デザインコース卒業。建築、インテリアについて学ぶ。卒業後、内装会社を経て「IREMONYA DESIGN LABO」の立ち上げに参加。その後、2008年まで同社のデザイナーと代表を務める。2009年より、SONGBIRDDESIGNSTORE. byMasakiTokuda Design. をオープン。
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