全国各地で多くの方にお会いすると、「私がよく行くお店の店主は、京都造形芸大の卒業生と言っていました」「私の使っているこの商品、貴学の卒業生の方の作品です」とご紹介いただくことが多々あります。私たちが知っているお店もあれば、「えっ!?そんなところで」と思わぬ出会いに嬉しくなることもあります。

この度の「開学40周年事業」の目的は、卒業生の皆さんの活動を可視化することにより、新たなつながりを創出することです。そこで全国各地で活動されている卒業生の取り組みをお伝えしたいと考えて生まれたのが、この「卒業生のいるお店」のWEBサイトです。

お届けしたいものは商品自体の魅力はもちろんですが、その卒業生の方の想いや考え、出会いなどの物語です。「いいな」と思われたら是非そのお店に行ったり、コンタクトをとってみてください。そこから新たな「つながり」が生まれることを期待しています。

京都造形芸術大学 事務局長 吉田大作

卒業生の情報を教えてください。

「卒業生のいるお店」では、これからも京都造形芸術大学・京都芸術短期大学 卒業生の活動を随時発信していきます。自薦・他薦問いません。

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・紹介したい卒業生のお名前、活動内容、活動場所、連絡先(電話やメール等)
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京都府

時を経たものに、「格好よさ」を探して

仲平 誠さん(「京都 ビンテージ アンティーク Soil」店主)
2003年 美術工芸学科 卒業

ヨーロッパの古道具を扱う「Soil」は、京都市左京区の寺社や美術館が集まる文化エリアにあります。小学生の頃から古いものが大好きだったという仲平さん。道端にビンの蓋など「お宝」を見つけてはワクワクしていたそうです。学生時代には、服や小物などを収集し“天神さん”(北野天満宮天神市)にも出店。大学卒業後、アンティーク商での勤務を経て「Soil」をオープンさせました。
店内に並ぶのは、北欧や東欧の古道具市に直接足を運び、買い集めてきた生活の品々。1940年代につくられたグラスや、刺繍の美しいタペストリー、さらには落書きされた空き缶や古いおもちゃまで。それぞれの土地で時を刻んできたものたちには、素朴でどこかセンチメンタルな空気が漂います。

  • 仲平さんがめざすのは、決めすぎず、少し外したところのある「格好よさ」。美しい生活の品々に混ざって、プラスチックのトレーや小指ほどのフィギュアなど、何に使うのかわからないものがぽつんと並んでいます。全然ちがうものが一緒に並んでいるのに、なぜかマッチした空間づくり。この店内にこそ、仲平さんの「好き」が込められています。
    「一つのスタイルでばっちり揃える格好よさもいいけれど、そこに異質なもの、違和感のあるものを混ぜ、それがばちっと決まったとき、もう一つ上の『格好よさ』が生まれるんです。」

  • 学生時代、他の学生がしないことを、あえてすることが多かったという仲平さん。
    「つい反骨精神が出ちゃって」と照れ笑い。

  • 緑色のなかに一点、赤い犬のおもちゃ。絶妙です。

  • 柳宋悦の言葉「見て知りそ 知りてな見そ(机上で知ってから見るのではなく、まず自分の目で見なさい)」に、共感するものを感じるという仲平さん。絶妙なセンスの裏側には、行動力に裏づけされた“もの”への深い探求心があります。
    「なんとなくやってみる、ではなく自分の触れたものに対し時間をかけ、とことんつき詰めてやってみることが大事だと思う。」古いものにも新しいものにも、和も洋も、とにかくまずはそれぞれ自分の手で触れてみること、自分の生活に取り入れて使ってみること。さらにはそのものがある場所へ行ってみること。そうして自分が出会ったものにしっかり向きあうことで、自然と見る目が養われてきたといいます。「ものってつながっていると思うんです。一つ一つをつき詰めてこそ、良し悪しや、美しさがわかるようになる。」

  • 地域のなかにひっそりたたずみ、地に足をつけそこで商売してきた小さな商店などにも、「格好よさ」を感じるという仲平さん。地道な“もの”への向き合い方で、古いものの多い京都の、新しい渦となっていきそうです。

text:鈴木さや香/photo:CHIMASKI/November, 2016

お店について

京都 ビンテージ アンティーク Soil(ソイル)

〒606-8352 京都市左京区北門前町476-1
TEL 090-2357-0574
営業時間 12:00~19:00
定休日 水曜・木曜日+不定休(仕入れ時)

http://soil-kyoto.com/

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卒業生の紹介

仲平 誠(なかひら まこと)
1978年、福岡県生まれ、京都府育ち。Soil店主。京都造形芸術大学美術工芸学科卒業。アンティーク商などを経て、自らのめざす「格好よさ」を求め2010年独立。2014年には「第1回京都ふるどうぐ市」の実行委員を務め、出店者を集めるために全国を周るなどイベントの成功に貢献。自らの性分を「反骨精神」「照れ屋」と語る。

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