全国各地で多くの方にお会いすると、「私がよく行くお店の店主は、京都芸術大学の卒業生と言っていました」「私の使っているこの商品、貴学の卒業生の方の作品です」とご紹介いただくことが多々あります。私たちが知っているお店もあれば、「えっ!?そんなところで」と思わぬ出会いに嬉しくなることもあります。

この度の「開学40周年事業」の目的は、卒業生の皆さんの活動を可視化することにより、新たなつながりを創出することです。そこで全国各地で活動されている卒業生の取り組みをお伝えしたいと考えて生まれたのが、この「卒業生のいるお店」のWEBサイトです。

お届けしたいものは商品自体の魅力はもちろんですが、その卒業生の方の想いや考え、出会いなどの物語です。「いいな」と思われたら是非そのお店に行ったり、コンタクトをとってみてください。そこから新たな「つながり」が生まれることを期待しています。

卒業生の情報を教えてください。

「卒業生のいるお店」では、これからも京都芸術大学(旧校名:京都造形芸術大学)・京都芸術短期大学 卒業生の活動を随時発信していきます。自薦・他薦問いません。

■メールのタイトル
「卒業生のいるお店の紹介」と記載

■本文
・紹介したい卒業生のお名前、活動内容、活動場所、連絡先(電話やメール等)
・紹介者(メール送付者)のお名前、連絡先

京都府

使う度に嬉しさを感じる日用道具

林 宗里さん 七緒美さん(日用道具 「木と根」経営)
1990年 京都芸術短期大学ビジュアルデザインコース 卒業

烏丸通と東洞院通の間にある因幡堂のすぐ脇。その静かな路地裏に、日用道具のお店「木と根」があります。お店には、林さん夫妻が実際に使ってみて良いと感じた、どんなお家の生活にも馴染むような日用雑貨や道具が並んでいます。食にまつわる道具の他には、かごや古道具、コーヒー等も取り扱っています。
お店を始めようと思ったのは、七緒美さんが以前に勤めていたデザイン事務所で、指示を受けて決まった通りに作る広告デザインの仕事に疑問を持ったことがきっかけでした。そこで、自分の本当に好きなこと、楽しいと感じることは何かと考え、小さな頃からの「道 具が好き」という想いを再確認したそうです。最初は七緒美さん一人で始めたお店も、宗里さんと協力しながら、少しずつ今の「木と根」へと変化してきました。
取材中、お店で定期的に開催している作家さんの個展や扱っている日用道具について詳しく話してくださる七緒美さんの姿から、熱い想いを持ってお店をされているのだということを強く感じました。

  • 「木と根」に並ぶ日用道具は、使いやすさとどこの家にもしっくり馴染むことを大切に選ばれています。また、自身の経験を要望として作家さんに伝え、一緒に「木と根」オリジナルの道具を作ることもあります。

  • 京都府以外の土地からやってきた道具たち。常滑や益子、遠くは大分から届くものもあります。
    京都在住のお客様方が多いため、京都ではなかなか手に入らないものを取り扱っています。そこには、わくわくした気持ちでお店に足を運んでもらいたい、商品選びを楽しんでもらいたい、という七緒美さんの工夫が凝らされています。

  • 古道具の網。昔の漁で使われていたもので、網目が気に入って飾っているそう。店内の至る所に古道具があります。

  • 八月には小谷田潤さんという陶芸作家さんの展示が開かれていました。個展期間中、店内は作家さんの作品一色になります。

  • 「この器にはスープを入れたいな」「素敵な急須でお茶を入れてみたいな」と生活に取り入れたくなるような道具がたくさんあり、見ているだけでとてもうきうきした気持ちになりました。お気に入りを見つけたいときに訪れたいお店です。

text:浜田知尋/photo:CHIMASKI/October,2017

お店について

木と根

〒600-8401 京都府京都市下京区燈籠町589-1
TEL 075-352-2428
営業時間 午後12 時~日暮れまで
定休日 毎週水曜日・木曜日(祝日の場合には休業)
http://kitone.jp/

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卒業生の紹介

林 七緒美(はやし なおみ)
1971 年、京都市生まれ。1990 年京都芸術短期大学ビジュアルデザインコース卒業。広告会社やアパレル会社で勤務した後、マンションの一室で子供向けの洋服の販売を経て、好きだった日用道具のお店、「木と根」をオープン。「食いしん坊なので、食にまつわることに目がない」とのこと。

林 宗里(はやし むねさと)
1971 年、京都市生まれ。1990 年京都芸術短期大学ビジュアルデザインコース卒業。卒業後はカーデザインの専門学校に通い、専門学校卒業後はデザイン事務所で働きながら木と根を経営する七緒美さんを支える。現在は「木と根」の喫茶室担当。七緒美さんと仕入れで訪れたパリでカフェ文化に触れ、カフェにはまる。

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