全国各地で多くの方にお会いすると、「私がよく行くお店の店主は、京都造形芸大の卒業生と言っていました」「私の使っているこの商品、貴学の卒業生の方の作品です」とご紹介いただくことが多々あります。私たちが知っているお店もあれば、「えっ!?そんなところで」と思わぬ出会いに嬉しくなることもあります。

この度の「開学40周年事業」の目的は、卒業生の皆さんの活動を可視化することにより、新たなつながりを創出することです。そこで全国各地で活動されている卒業生の取り組みをお伝えしたいと考えて生まれたのが、この「卒業生のいるお店」のWEBサイトです。

お届けしたいものは商品自体の魅力はもちろんですが、その卒業生の方の想いや考え、出会いなどの物語です。「いいな」と思われたら是非そのお店に行ったり、コンタクトをとってみてください。そこから新たな「つながり」が生まれることを期待しています。

京都造形芸術大学 事務局長 吉田大作

卒業生の情報を教えてください。

「卒業生のいるお店」では、これからも京都造形芸術大学・京都芸術短期大学 卒業生の活動を随時発信していきます。自薦・他薦問いません。

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大阪府

優しく食材を包む、天然ラップ

浦川 篤子さん(aco wrap 店主)
2010年 京都造形芸術大学 空間デザインコース卒業

「まるで、野菜にそっとお布団を掛けてあげているみたい。」ピッタリと食材をつつみ、鮮度を保つ“aco wrap”。オーガニックコットンに蜜蜂の巣から採取したみつろうをベースにしたオイルをたっぷりと染み込ませた天然素材のラップは、洗って何度も使うことができる自然に優しい商品です。
浦川さんが天然ラップを知ったのは2016年のこと。「丁寧な暮らし」を求めて訪れた、オーストラリアの小さな田舎町の朝市で出会いました。
食べることが好きで“食”に関わる仕事がしたいと考えていた浦川さんは、食材の量り売りが主流の「欲しいものを、欲しい分だけ買う」この町の人々の暮らし方に惹かれ、日本で日常的に見ていた過剰な梱包や包装に疑問を持つようになったといいます。そして、「食材の鮮度を保ち、無駄なく最後まで美味しく食べる」ために生まれた、天然ラップに強い関心を持ったそうです。自身が天然ラップを使い、その使い勝手の良さや魅力を実感すればするほど、多くの人にも知って欲しいという気持ちが強くなり、試行錯誤を重ね、日本で手に入る天然の素材だけで作る“aco wrap”を完成させました。

  • 使い切れなかった野菜をそのまま包んだり、蓋の代わりに器に被せたり。用途はいろいろ。
    みつろうとホホバオイルには抗菌性があるため、食材の鮮度を長持ちさせる効果があります。

  • オーガニックコットンの染色を行っているのは、奄美大島で暮らす大島紬の職人さん。浦川さんの“aco wrap”に対する強い想いに共感し、制作に携わってくれています。
    商品のカラーバリエーションにも浦川さんのこだわりが込められており、茜で染めた「蘇芳色」や藍と福木で染めた「翡翠色」など、自然や四季が感じられる日本の伝統色が中心となっています。また、サイズも日本の食器サイズに設計し、使い易さを追求しています。
    冷蔵庫を開けた時に目に飛び込んでくる優しい色合いを想像するだけで、お料理の時間がさらに楽しいものに感じられます。

  • 職人さんが染めた生地を浸すみつろうは、岐阜県にある養蜂場のもの。こちらも浦川さんの話しを聞き制作に協力してくださっています。養蜂場から届いた貴重なみつろうを漉し、生地を裁断し、浸して乾かす。その仕上げの作業を行うは浦川さんの大切な仕事。1つ1つ手作業で丁寧に進めていきます。

  • 「天然の素材で、しかも手作業で作っている商品なので、少しずつ風合いが違うのも魅力。」
    そう話すように、同じ植物で染めた商品でも並べてみると色味の違いに気づきます。
    浦川さんがお客様と対面して接客ができるマルシェなどでの販売を中心にしているのは、まだまだ馴染みのない天然ラップの使用方法や特長をきちんとお客様に伝えるため。そして、自身のライフスタイルに合わせたサイズや好みの色を、実際に手に取ってじっくりと選んでもらうためです。

  • 幅広い年代の方がお店の前で足を止め商品を手に取ってくださるそうですが、やはり一番多いのは普段からお料理をする主婦の皆さん。傷みやすいけれど少量ずつしか使わないショウガは、“aco wrap”に包んで冷蔵庫で保存をするととても長持ちするという浦川さんの実体験を伝えたり、洗って何度も使えるという無理なく続けられるエコの話には、多くの方が興味を持ってくださるそうです。
    そして、商品を購入した人の中にはその魅力を実感し、リピーターになってくれる方や、まわり友人に薦めてくださる方も少なくないといいます。

  • 浦川さんは学生時代、授業の課題だけでなく産学連携の活動やファッションショーの企画・運営にも中心となって携わるなど、慌しい学生生活を送っていたといいます。
    でも、どんなに忙しい時でも「辛い」と感じたことはなく「充実していて楽しかった」そう。常に前向きに、どうすれば自分が今の状況をより良くできるのか。そう考える姿勢は、学生時代に出会い、一緒に切磋琢磨してさまざまな困難を乗り越えてきた学友との活動の中で身に付いたそうです。その経験があったからこそ、素敵だと思った天然ラップを多くの人に知ってもらいたいという強い想いと行動力が多くの協力者を集め、“aco wrap”という商品の実現に繋がったのだと思います。

  • 浦川さんの熱い想いと、食材に対する優しい気持ちが形となった“aco wrap”。
    ご自身が感じたその魅力を一人でも多くの人に伝えるため、これからも優しさと愛情を込めて丁寧に手作りし、その魅力を全国の方に伝えていくことでしょう。

text:中西絵里加/photo:CHIMASKI/November,2018

お店について

aco wrap

浦川さんがオーストラリアで出会った天然素材のラップ。食材の鮮度を長く保ってくれるだけでなく、何度も洗って使えるため、環境にも優しい商品です。そんな商品の魅力を多くの人に知ってもらいたいとできたのが浦川さんの“aco wrap”。一つ一つの工程が手作業で行われているため、食材をぴったりと優しく包んでくれます。
https://acowrap.jp/

卒業生の紹介

浦川 篤子(うらかわ あつこ)
1986年大阪府生まれ。京都造形芸術大学空間演出デザインコース卒業。卒業後はデザイン会社に勤め、Web やパッケージなどのデザイン業務に携わる。「丁寧な暮らし」を求めて 訪れたオーストラリアで出会った天然素材でできた天然ラップに魅了され、帰国後、日本にある天然の素材で“aco wrap”を作り、全国各地のマルシェや手作り市で販売している。

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